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    2021-08-13 | NEW・G1フィッシング

師匠が逝ってしまわれました


釣りはもちろん
人生の師匠としても
尊敬しお慕いしておりました

竹下努 名人が8月11日未明に
病気療養中の病院でお亡くなりになりました

享年 82才

慎んでお悔やみ申し上げます


そうですねー
わたしもかなり動揺しショックは隠しようがありません

コロナのこともあり
入院されている間は
なかなかお会いすることができないでいましたが

今年の3月に
容態が回復されたということで
ご自宅に戻られた際に
お見舞いにお伺いすることができました

介護用ベットに休んでおられて
少し痩せておられる様子でしたが

「小島くん。昨年はいい竿が出たねー(タルカゴスペシャル)」
「よくがんばったなー。大したもんだ」

いくつになっても
師匠に誉められること
認められることが一番嬉しく思いますし
励みになります

療養中でも
娘さんが録画してくれたと言って
一日中、釣り番組を繰り返し観ておられて

「釣りに行きたい」って

先生、宍道湖でもチヌが釣れるところがあって
車イスでも行けるんですよ
今度ご案内しますから
早く元気になってください

別れ際にそう言って
手を握ると
師匠は涙を流されてねー

わたしも次の言葉が出てきませんでした

本当に根っからの釣り好きなんだなーと

「釣りは 人生の道しるべ」
師匠がサイン色紙に書かれるお言葉です

正に「釣道」

そして忘れてはいけないのが
ご自身が考案し制作される竹下ウキは
一世を風靡し
今でも求めるファンは多数います



もちろんわたしもその一人であり
わたしの釣り人生においても
師匠の存在と共に
このウキなくしては今の自分は存在しないと言っても
過言ではないのです

竹下ウキを通して
師匠との思いでもたくさんよみがえります

初めて出会ったのは
平成元年の夏

その年はともしまで空前の
ヒラマサフィーバーが湧き起こっていまして

たまたま朝鮮場でたくさんの釣人に混じって
師匠を見つけて
大胆にも声をかけたんです

G杯グレに優勝された竹下さんですか

そうなんですよ
第10回G杯争奪グレ釣り選手権大会に優勝されたばかりで
その模様がテレビ番組で流れ

島根にもすごい人がおられるもんだなー

と憧れと羨望の眼差しで
当時を振り返ります

そしたらすぐそこに
そのお方がおられるではないですかー

今思えばよく声をかけたもんだなーと

そして図々しくも

ボクの釣りはどうですか?
何かお気づきがあったらアドバイスください

などと言うもんですからねー
師匠もどう思っておられたのか

「なかなか筋がいいと思うよ」
みたいなことを言ってもらったと思うんですよ

ここからですね

そして共通の知人を介して
すぐに美保関の地磯へ
チヌ釣りに同行することになったんです

兄弟子となった林名人や岩根名人など
御歴々メンバーの中に誘ってもらったんですよねー

全員が竹下ウキを使われるなか
自分は遠矢ウキでやっていたんです

遠矢ウキももちろんすばらしウキなんですが
わたしの当時の釣りは
知識も技術もまだまだで

師匠をはじめ先輩たちは
次々にチヌをヒット

焦ります

とうとう
わたしは1回もアタリを出すことができないでいると

師匠はゴソゴソとロッドケースの中から
1本の竹下ウキを取り出して
「そのウキもよいウキなんだが、
   これはボクが自分で作ったウキでねー
       よかったら使ってみてくれないか」
と控えめに手渡されました


すると不思議ですねー
これまで苦戦していたのが嘘のように
鮮明にアタリをとらえて
自分にもチヌが釣れたんです

何がどう違ったのか
未だに解りませんけども

これが運命なのか
ご縁というものなのか

ターニングポイントになったことは間違いありません

それからは
週に3回、4回と
師匠の釣り道場へ通う日々が続きます

今思えば
わたしも片道50キロを
仕事帰りによく通ったものだなーと思いますけども

それ以上に
嫌な顔ひとつせずに受け入れていただいた
師匠の器の大きさにはただただ感謝です

相手のことなど何も考えずに
とにかく突っ走った若造を
よくここまで

わたしもこのように取り組もうと思っても
とても容易くできることではありません

そしてこんなこともありましたねー

はじめて隠岐へ二人切りで同行させてもらったときです
グレやチヌの良型などがたくさん釣れて
わたしは過去最高の釣果に満足と充実感に浸っていると

師匠は疲れも見せずに何やら磯をゴソゴソ
岩場に落ちていたテグスに針を結んで
落ちていたオキアミを刺したと思ったら
手釣りで磯ベラを釣り上げて
「どうだー小島くん」とどや顔で微笑みます

このとき
わたしはこの人に一生着いていくのだなーと

その眼差しはいくつになられても
永遠の釣り小僧

「釣りは 少年の 心で」

師匠がモデル

とうとう追い付けないまま
逝ってしまわれた

師匠 安らかにお眠りください

しばらくお別れですけども
いずれわたしも向かいます

またお供させてもらいます

ありがとうございました

合掌



竹下名人に関するエントリーは多数あると思いますが
こんなエントリーを見つけました
この記事の中のリンクも含めてご覧いただければ幸いです

2010、7、14エントリー





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プロフィール

G1-KOJIMA
◆1963年生まれ。
◆島根県松江市宍道町在住。
◆血液型O型。
◆所属(クラブ、団体)
 G1トーナメントクラブ
GFG (島根支部
 TFT・MFG
◆メーカー所属
《フィールドテスター(モニター)》
 がまかつ
東レフィッシング
マルキュー
スワンズ
竹下ウキ工房
武工房

グレ・チヌのふかせ釣りからマダイ・ヒラマサのカゴ釣りまで磯釣りならなんでもこなす。夏はアユ釣りに夢中。
 
 【自己記録】
尾長グレ63.5センチ(男女群島 男島<昼>)
口太グレ51.5センチ(日御碕 とも島)
アユ31.4センチ(江の川 作木村)
マダイ95.0センチ(隠岐島前 西ノ島 冠島)
チヌ57.5センチ(隠岐島前西ノ島 センス)
コイ105.5センチ18キロ(宍道湖 宍道町 潜水道路)
ヒラマサ80.0センチ4.3キロ(大社町宇龍 おばしま)



【釣りの魅力とは】
「釣りは少年の心で」をモットーに西日本各地の磯や河川を釣り歩く。
少年の心とは、幼少のころ遠足の前夜に、
わくわくドキドキして眠られなかったその気持ちです。
釣りは何度行っても、何年やっていても、
この幼少のころの気持ちを忘れさせないところに魅力があります。

G1とは「グレード・ワン」の略であり、最高の等級を表します。
釣果の多少や大小よりも、そこへ行き着くまでのプロセスを大切にし、
その時、その釣人が得た結果を「最高のものであった」と
評価する価値観をいいます。
価値ある釣果(G1な釣果)を得たときのよろこびと
感動を忘れることなく、
釣りはいつも少年のように、
純粋で無垢な心で取り組みたい・・・。

 





 

 




 

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