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    2013-07-17 23:00:59 | おーい!中村です!!

石の文化と福光石


仁摩、温泉津、そして大森には「石の文化」があると思っています。
石の使い方にもいろいろありますが、ここは、「切り石の文化」です。
まず、町並みをみると気づくのが、土台石などに切り石が多用されていること。
そして、井戸枠やかまどなど、他所なら木や粘土使う場面にも、石を加工して使っている様子を見かけます。
これは、上記の地域が日本海形成期の火山噴出物、とりわけ軽石質の凝灰岩の分布域であることと直接的に関わっています。
軽石質の凝灰岩は、柔らかくて加工が容易な割に、粘り強くある程度の耐久性があることから、日常的な生活の場に使うには容易な石です。
そういった石を、近隣で、温泉津と大森では町並みの中で調達できたことが、石を多用した理由と思われます。
温泉津も大森も、町の中に石を切り出した痕跡が多く残り、石を切った跡地を宅地に、時には意図して壁を残し、建造物の壁として利用した例も見られます。
仕切り壁を残さないまでも、山側の一面を壁として使った建物は現存しますし、その跡地は幾つも見られます。


このように石を切って使う文化がある当地を代表する石が、「福光石」と言えるでしょう。
均質で割れにくく、緑色の色調が美しいことから、古くからここといった場面には福光石が使われ、現代も使われています。
大森の羅漢寺にある五百羅漢がこの石で作られていることは、よく知られています。
近年は、石切り場の公開ツアーが行われ、迫力ある地下空間が好評を博しています。
しかし、採石の存続に赤信号がともり、室町時代からの歴史の終わりが訪れたと聞きました。
残念ですが、産業である以上、諸事情によって途絶えるもの仕方ないことと思います。
今は途絶えても、また、この石の需要が高まって、産業として成り立つ時代が来るかもしれません。
公開の方はどうなるのでしょうか。
安全管理の問題もありそうで、一筋縄ではいかないかも知れません。歴史的な石切り場は、せっかくの財産なので、活用できればとは思いますが、自分がどうこう力になれないので、なりゆきを見守るしかないと感じています。
文化財として指定することも、活用に向けた一手かも知れません。
室町時代からの歴史を持つ採石場跡は、周囲の文化に及ぼした影響もあり、文化財として指定するに値するように思います。
指定すれば活用できるというものではありませんが、産業として休止したものを活かす手段としては、選択肢に入れて良いのではないでしょうか。
福光石は、大田地域の自然史と文化史を象徴する存在のひとつです。
できることなら、将来にわたって、石切り場を含めて、この存在を伝えたいものです。
力及ばず、今は何もできませんが、もし、手伝わせていただけることがあれば一汗かきたいと思います。

コメント(1件) コメント投稿


はじめまして、細田と申します。
祖父母の家が温泉津にあるのですが、恐らく石切り場の跡地に
建設されたであろう痕跡が見られます。
裏庭にそびえたつ岩が”いき岩”と古くから呼ばれています。
岩盤は高さ10mx幅15mくらいあります。
(昔は観光客が裏庭まで岩を見に来ることもあったとのこと)
10m近くある岩盤の頂上部に日付が掘られています。
掘削された時の記録かもしれません。
20年前に家の床を修繕するときに床をめくったのですが
地面は土ではなく、石を四角形にぼこぼこと削りとった
跡が見られたそうです。

このような場所なのですが、文化財として指定することが
可能なのでしょうか。温泉街のすぐそばにあり
観光客が立ち寄りやすい位置にあるので
温泉津の観光財産として活用できると思うのですが
どのように動けばよいかわからないままでいます。

いま、明治初期に建てられたこの家を解体する話をすすめて
います。重伝建地区なので解体は容易ではないのですが
(大田市の方と協議中)家を解体すれば裏庭に潜んでいた
”いき岩”が、通りからはっきりと見えるようになります。

by 細田 ( 2013-08-09 22:51:57 )


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プロフィール

・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
・職業   NPO法人石見銀山協働会議副理事長

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