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    2014-11-23 19:08:00 | おーい!中村です!!

サケがのぼる





今年はサケの当たり年だったらしく、島根県各地の河川で例年にない数のサケが遡上したようです。
一体何が起きたのか、興味が湧きます。

サケは生まれた川に戻ると言われます。
他の川にのぼることもあるようですが、大半はもとの川に戻る。

ひとつの川の遡上数が増えたのであれば、今年戻ったサケの親たちが多く遡上し、さらに稚魚になるまでの生育条件も良かったことが予想できます。

ところが、あちらこちらの川で、「異常」とも言える数の遡上が起きている。
4年前に同じ現象が起きていたなら、親世代が多かったということになるけれど、そういう話題があったという記憶はありません。
ある程度は多かった可能性はあるけれど、親世代の数が今年の大量遡上の理由には直結しそうにありません。

そうなると、今年遡上した世代の生存率がいつになく高かったということになるのでしょう。
サケは大変多くの卵を産みますが、成魚になって戻ってくるのは親と同数程度。それ以外は成長の過程で他の生き物に捕食されるなどして命を失います。
なんらかの理由で、生存率が高くなれば成魚として遡上する数も多くなります。

それでは、生存率が高くなった理由はなんでしょうか。
サケが他の生物に捕食される可能性が高いのは、卵から稚魚の段階です。稚魚を捕食する生物が河川に少なければ、生存率はかなり高くなりそうです。
しかし、すべての河川で共通して同じ現象が起きたのでしょうか。
4年前に広域にわたる増水や、逆に異常渇水など、河川環境を大きく左右する現象があったのでしょうか。
ちょっと思いつくものがありません。

河川ではないのであれば、海での生存率になります。
海での生存率が上がれば、各河川で共通して遡上数が増えたことも説明しやすいように思われます。

しかし、その理由もまた思いつくものがありません。
サケを捕食する生物が少なくなったということが考えられますが、それほど劇的な変化が海の中で起きたのでしょうか。ここに結論を求めることも短絡的であるように感じます。

全く違う理由も考えられるでしょうか。
どこかの河川で親魚が多かったり、稚魚の生存率が異例の高さだったのかもしれません。成魚になった数があまりに多く、他の河川に分散するということがあるのでしょうか。

あれこれ想像してみても、結局のところ、あまり明確な推理にはたどり着きません。
今回遡上する世代が育つ間、自然界のバランスの何かがそれまでと違っていたのでしょうが、それが何かという原因はわかりません。

特定の生物が急激に数を増やすということは、それに対応して減少した生物もいると考えるのが妥当です。
生態系はあくまでバランスの上に成り立っており、特定の種だけが無条件で有利に立つことはありえないはずです。

このように考えてみると、サケが多量に遡上したというひとつの現象だけをみて、自然環境が良くなったと評価するのは早計でしょう。
ひとつの現象の背後で何が起きたのかを慎重に見極めた上で判断する必要がありそうです。

 




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・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
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