2014年2月のエントリー
次のエントリー > 最初のエントリー >> |
2014-02-18 22:50:46 | おーい!中村です!!
本間歩はどれだ!?
引き続き、石見銀山。
仙ノ山南麓の本谷地区に、「本間歩」という坑道があります。
名称からして、古い段階の主力坑道です。
現地に行くと、横に長い大きな坑口の前に、本間歩と書かれた標柱が立っています。
下の写真の左の穴です。
資料等で紹介されるときも、その坑口が本間歩とされているので、この大きな穴が本間歩と思っている人もあるでしょう。

しかし、おそらく、これは本間歩ではありません。
明治時代の測量図面には、この坑口が記されていますが、本間歩の名称は他の坑口に記されています。
その坑口は、上の写真の右側。31番の札が付いた坑口です。
この間歩の先には、巨大な採掘空間があり、周辺のいくつかの間歩もその採掘空間につながっています。
31番の札がついた間歩がかつての主力坑道、本間歩なのです。
では、左の穴は何か。
本間歩ではないけれど、興味深い、意味深い穴です。
下側が土砂で埋まっていて、奥に続く坑道があるのかも知れないけれど、見える範囲では奥行きは深くありません。
先の測量図面でも、穴は浅く描かれています。
おそらく、この穴は本間歩の奥にある巨大な採掘空間と同質なもの。
銀を含有する部分が広がりを持って存在していて、それを掘り広げた痕跡と思われます。
ただし、よく見ると、穴の壁面に削岩機の跡が多数残り、明治時代に掘り広げられています。
もとからあった穴を明治時代に広げたのか、新たに掘ったのかはわかりませんが、そこにあった銀を採るために掘り広げたものには違いないでしょう。
次のエントリー > 最初のエントリー >> |