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    2014-09-29 18:27:17 | おーい!中村です!!

三瓶火山の噴火可能性と対策について


27日に御嶽山が突然の噴火を起こし、三瓶山(三瓶火山)について噴火の可能性や対策必要性の有無について質問を受けます。

三瓶火山について、現状で考えられることを整理しておきたいと思います。

1.三瓶火山の噴火の可能性
 三瓶火山は、将来、活動を再開する可能性が高い火山です。
 御嶽山の場合、有史以降の火山活動はありませんでしたが、1968年に噴気活動を開始、1979年に水蒸気爆発を起こしました。その後、今回まで幾度かの噴火を繰り返しています。
 三瓶火山の場合、過去1万1000年間で3回の活動を行っており、最新の活動は4000年前です。御嶽山の事例からみると、三瓶火山が突然活動を再開する可能性は十分に考えられます。

2.活火山指定の有無
 三瓶火山は、活火山に指定されています。
 活火山は全国で110火山が指定され、活動度が高いものから順に、ランクA、ランクB、ランクC、ランク外(情報不足等)に区分されています。三瓶火山は活動度が低いランクCです。監視・観測体制の充実が必要な火山としては47火山が指定され、三瓶火山はこれには含まれていません。

<参考・ランクA>
十勝岳(北海道)、樽前山(北海道)、有珠山(北海道)、北海道駒ヶ岳(北海道)、浅間山(群馬県・長野県)、伊豆大島(東京都)、三宅島(東京都)、伊豆鳥島(東京都)、阿蘇山(熊本県)、雲仙岳(長崎県)、桜島(鹿児島県)、硫黄島(鹿児島県)、諏訪之瀬島(鹿児島県)


3.観測体制
 三瓶火山は、現状は、地震計等による常時観測は行われていません。地下におけるマグマ活動の有無を十分に把握できる状態ではありませんが、昨年冬に気象庁が観測した際には、火山性地震や山体の膨張は確認されませんでした。
 至近では、三瓶ダム、志津見ダムに地震計が設置されており、もし、火山性地震が発生した場合には、これらの地震計の記録が頼みの綱となります。周辺の地震計の記録には注意を払っておく必要があると思われます。
 なお、今回の御嶽山の噴火では、「予兆がなかった」という表現も使われていましたが、実際には火山性地震の増加が確認されています。地下で何らかの動きがないまま、突然噴火することは考えられないため、火山性地震が全く発生していない現段階では、三瓶火山が突如噴火する可能性は極めて低いと言えるでしょう。


4.活動を再開した場合に起こりえる事象
 三瓶火山は、過去には大噴火を起こしており、広域にわたる火山災害を起こす可能性がある火山です。
 三瓶火山は約10万年前に活動を開始し、約4000年前までに7回の活動期があります。確実ではありませんが、2000年前頃に小規模な水蒸気爆発を起こした可能性もあります。
 粘性が高いデイサイトマグマの活動により、カルデラを形成する破滅的な噴火を発生させることがあり、過去の履歴では、多量の火砕物(火山礫、軽石、火山灰)を放出する大噴火を少なくとも4回行っています。
 火山灰は三瓶山以東の中国地方と近畿地方に堆積しており、約1万6000年前の噴出物は神戸市や大阪市の地下に10cm以上の厚さで分布していることが確認されています。現在、同規模の活動を行った場合、山体周辺への火砕流と、広域での降灰により甚大な被害が予想されます。
 1万1000年前以降の活動は、三瓶火山の活動の中では比較的小規模です。しかし、現山体の大部分は約5500年前と約4000年前の2回の活動で形成されたと推定されており、相当量の溶岩を噴出しています。この2時期の活動では、溶岩ドームの形成とその崩壊による火砕流発生を繰り返す「雲仙型」の噴火を行いました。この活動では、三瓶山を流域に持つ河川の流域で、土石流や洪水による大きな被害が予想されます。

5.観測以外の対策について
 三瓶火山は、現時点では活動再開につながる現象は認められていませんが、活動再開に備え、過去の活動履歴をもとに、ハザードマップおよび対応マニュアルの作成が望ましいと思われます。
 三瓶山は登山者の多い山です。今回の御嶽山のような突然の噴火が生じた場合に向けた対策としては、事象を確認したら一刻も早く下山するしかないでしょう。現在のような平穏な山にシェルターを設けることは現実的ではありませんし、仮に設けたとしても、山頂では火山ガスや熱雲に包まれる可能性が高く、その有効性は低いでしょう。
 万一の場合は、まず逃げることに尽きます。今回、噴煙を撮影していた人が複数あるようですが、もし、カメラを取り出す時間と撮影する時間を下山に充てていたら、もしかしたら助かった命もあったのではないかと思います。

6.中国地方の活火山
 中国地方で活火山に指定されている火山は、三瓶火山と阿武火山群の2つです。阿武火山群は、山口県萩市にあり、単性火山が点在しています。そのひとつの笠山が約8000前に活動しており、火山群として活火山に指定されています。
 活火山には指定されていない第四紀火山としては、大山(1万数千年前に最新の活動)、青野火山群(10万年前以降に活動)、大根島火山(約20万年前に活動)、大江高山火山(80〜100万年前に最新の活動)などがあります。
 瀬戸内側には第四紀火山は存在せず、四国にもありません。

最後に・・・

私たちが目撃したことがない出来事も、自然にとっては当たり前の出来事であることを忘れないで。


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・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
・職業   NPO法人石見銀山協働会議副理事長

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