2022年6月のエントリー



    2022-06-02 21:52:15 | おーい!中村です!!

黄色い花畑




夏本番を迎えるこの頃、空き地や道路端に黄色が目に鮮やかな花が咲き誇っている。
コスモスに形と大きさがよく似たこの花はオオキンケイギクという名で、外来植物の一種だ。
旺盛な繁殖力で近年拡大を続け、花がとてもよく目立つこともあって「悪玉」扱いされることが多い。

外来種が悪玉かという問題はひとまず置いて、空き地や道路端という場所をよく見るとそこは外来植物の楽園。道端なんて、もっとも人の目に触れるところだから、日常の生活でよく見る植物は外来種の方が多いと言っても過言ではないかも知れない。

「外国から来た植物は日本古来の植物より強いんだなあ。」


そんな感想を持ってしまう。 

ところが、木が茂った場所、特にある程度木が大きく育ち成熟した森林に足を踏み入れると、空き地で大繁殖していた植物たちは途端に姿をひそめ、日本の固有種が多くなる。

これはどうしたことか。 

考えられるのは、外来植物は日本列島の生態系の「隙間」では大繁殖するものの、日本固有の生態系が確立されている場所では必ずしも繁殖できるとは限らないということだ。

道路端や空き地が「隙間」と言うのはピンとこない話だけど、縄文時代以前の風景を想像すると、そこが隙間であることに気づく。
適度な気温と降水量に恵まれた日本列島では、裸地があっても数十年で森林に変化する。そして、数百年が経過すると低地は常緑の森、高地は落葉樹の森に覆われて、道端のように年中日当たりが良い場所などほとんど存在しない。せいぜい、海岸の岩場や砂浜、川原、高山や火山の火口付近くらいが裸地としてあるくらいで、あとは斜面崩壊や洪水の土砂がたまった場所くらいのものだ。

つまり、日本列島では日当たりが良くて乾燥した場所は「隙間」なのだ。そこに育つ植物は、隙間的な生き方をしてきたのではないだろうか。

一方、大陸に目をやると、中緯度地域の内陸は乾燥地帯であることが多く、広大な草地や荒地が広がる。ここで生きる植物たちは極端な乾燥や高温に負けずに子孫を残して繁殖を続ける手段を手に入れているはずだ。

現代は人が土地を利用することで多くの裸地が生まれる。道路端も建物を解体した後や放棄水田などの空き地は、原始の時代にはほとんど存在しなかった環境だ。日本の植物にも裸地で育つものはいくつもあるが、広大な平原で育った外来勢の戦略には敵わないのだろう。だから、身近な場所では外来植物の割合が多くなる。


ところで、外来勢が圧倒し続けるかと言えばそうでもない。空き地が次第に草深くなり、やがて木が生えるようになるといつのまにか外来勢は鳴りをひそめるようになる。植物が育つことで、日本列島にもともと多くあった環境に近づき、荒野に育つ「アメリカン」にとっては暮らしにくく日本勢に押し出されるようになるのだろう。



コメント(0件) コメント投稿

コメントはありません。



トラックバック(0件) トラックバックURL:

トラックバックはありません。




ブログトップ

カテゴリ選択

エントリーカレンダー

<<  2022年6月  >>
29 30 31 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 1 2

最近のエントリー

最近のコメント

最近のコメントはありません。

最近のトラックバック

最近のトラックバックはありません。

エントリー履歴

プロフィール

・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
・職業   NPO法人石見銀山協働会議副理事長

会員ページ


rss

携帯サイトアクセス用QRコード

QRコード