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    2018-04-16 20:45:46 | おーい!中村です!!

島根県西部(大田)地震


三瓶山の北を震源として発生した4月9日深夜の地震は、大田市内の各所に被害をもたらした。


「大田で地震が起きるなんて・・・」という、虚を突かれた感がある地震だったが、近隣で起きた過去の地震のデータは、今回が「予想だにしなかった」ものではないことを物語っている。


下の図は、島根県周辺で発生して被害をもたらした地震の震央位置を示したもので、既存の図に今回の震央を追加している。


この図によると、島根県では山口県との県境付近の西部エリアと鳥取県との県境付近の東部エリア、そして三瓶山周辺の中部エリアで発生した地震が多いことがわかる。

言い換えれば、三瓶山周辺はある程度の間隔で、マフニチュード5〜6級の地震が繰り返し発生する「地震多発地帯」なのである。

三瓶山周辺の地震について、その発生年とマグニチュードを並べると次のようになる。

2018年  M6.1

1978年  M6.1

1977年  M5.6

1930年  M6.1

1835年  M5.5


江戸時代にあたる1835年は別として、1930年以降ではマグニチュード6級が3回発生している。いずれもM6.1であることは偶然として、その発生間隔は2018ー1978年=40年、1978ー1930年=48年となり、4、50年に1回は今回程度の地震が発生する地域と思っておくに越したことはなさそうだ。

そして、これらの地震の震央(震源)は三瓶山を挟んでほぼ直線上に並んでいる。この直線は、地下に存在する断層(帯?)の存在を物語る。
その方向は北西ー南東方向で、弥栄断層をはじめ中国山地に走る大断層と直交する方向だ。中国地方の地形を形作る大きな構造との関わりが深い断層帯、すなわち地震多発地帯であると言えるだろう。
なお、鳥取県西部から島根県東部にかけての地震多発地帯(2000年鳥取県西部地震の震源域もこれに相当)も北西ー南東方向の直線上に震央が並ぶ。





では、三瓶山周辺での地震活動がどのようなものであるか、気象庁が公表しているデータをオーバーラップさせて、過去45年分の震央分布図を作成したものが下の図だ。

最初の図は1973年から2013年までのもの。震度1以上を観測した地震の震央だが、1990年代以前は地震計の設置数が少なく、この図に全てがプロットされているわけではない。おそらく、実際にはもっと多くの震度1以上の揺れを起こした地震が発生しているだろうが、傾向を見る資料としては十分と思われる。


この図では、三瓶山の南東方向で地震が発生していることがわかる。三瓶山を通る北西-南東方向の傾向も見えるが、その線から少し外れた、三瓶山の東側にもそれなりの規模の地震が発生している。




次の図は、上の図に2013年以降の地震を加えてもので、今回の地震も含まれている。三瓶山の北西に多数の震央が記されているが、これが今回の地震とその余震である。

上の図と比べると、今回の地震はこれまである程度大きな地震が発生していない「空白地帯」で発生していることがわかる。
過去45年間は、三瓶山の北側では大きな地震は発生していなかったのだ。

内陸地震は、空白地帯を埋めるように発生する傾向があると言われるが、まさにその形になっている。

空白地帯で発生する理由は、地震は大地にひずみが蓄積され、それによって地盤の破壊が生じることによって発生する。一旦地震が発生すると、ひずみが解消されるため、しばらくその場所では地震は起きず、次の大きな地震はひずみの蓄積が続いている(=地震が発生していない)場所で起きるという理論である。

そして、今回の地震とその余震の震央は、北西−南東方向に細長く並んでいる。その並びを延長すると三瓶山に至り、過去の大きな地震が示す「北西-南東ライン」に重なる。





これらのことから、今回の地震は三瓶山を通過する北西-南西方向の断層帯で発生したもので、そこは過去も時折M6級の地震を発生させてきた場所だということになる。そして、そのライン上の空白地帯で発生している。

もっとも、結果としてそれがわかることであり、では次が予測できるかと言えばそれは不可能に近いだろう。

次がいつかということは予測できないが、過去の傾向から言えば、40〜50年後には再び同程度の地震が起こる可能性が高いということはできそうだ。

また、この断層とは別の場所で大規模な地震が発生することも十分あり得るし、南海地震が発生すればやはり相当の揺れが生じると予想される。

いずれにしても、天災は忘れ(かけ)た頃にやってくる。

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・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
・職業   大田の自然史案内人

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