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    2018-11-11 20:39:21 | おーい!中村です!!

萩城下





毛利の紋が入った屋根瓦。
萩市の明倫館跡にある建物の屋根。

萩市であった研修に参加し、史跡保全や観光面での萩のすごさを再確認した。

萩は、中国地方の日本海側では有数の観光地である。2015年には萩城下や松下村塾などが「明治日本の産業革命遺産」の構成要素として世界遺産に登録された。
さらに今年、阿武火山群の噴出物を市域がジオパークに認定された。

平成の合併で新萩市となった頃、この町の取り組みに驚いた。それは、合併した旧田万川町、旧須佐町の店舗が、萩城下周辺と同様に茶と白、黒を基調とした色調になり、新市域全体で景観の統一化を図っていることに対しての驚きである。

普通の町であれば、景観の統一化は城下とその周囲に止めるだろう。
旧町エリアは城下からは遠く離れており、そこに派手な看板があることは、城下の景観には直接的な関わりはない。それでも、やるのである。

そして、世界遺産登録が決まると間もなく、旧市エリアには「世界遺産」の文字を冠した道路表示がいくつも掲げられ、対応の迅速さに再び驚いた。しかも、ジオパークの構成要素にあたるジオサイトには、それぞれサインが示され、認定を目指す段階からすでに活用に向けて動き出していた。

活用面だけの取り組みを見ると、観光目的に走っているという捉え方もできるのだけど、城下を歩くと保全の徹底ぶりにまた驚かされる。店舗などの観光要素がない路地まで、見事に美しく保たれている。かつて土がむき出しになっていた土塀を漆喰塗りに修景したことについては、以前の風情が良かったという思いもなくはないけれど、しかし保全のためには漆喰塗りの方が劣化を防止できる。

これらに強烈な印象があり、この度の研修の機会に、萩の方に質問をぶつけた。

「保全と観光の両立に課題はないか、住民の意識はどうか。」

回答は、保全と観光の棲み分けは問題なくできており、住民意識については、保全への取り組みの歴史が100年あり、数かぎりない議論を重ねてきているので全く心配ないという自信に満ちたものであった。
もちろん、何か新しいことが始まる時には課題は生じるが、それを克服して前進する下地があるという。

これほど自信に満ちた回答をこれまで聞いたことはない。
しかも、それは一人だけの見解ではなく、他の人からも同様の言葉が返ってくる。
なんという町か。

そしてこの町には、「松陰先生の教え」を受け継ぎ、それを誇りにし、我が町への強烈なプライドがある。そのプライドがあるからこそ、町を良くするための努力を惜しまないのだろうか。

萩という町の特殊性を真似ることはできないが、しかしその地域への意識の高さはやはり見習うものがあると感じる。そのためには、住民意識の醸成が何よりも大切だろう。短期のイベントや講座程度で萩の水準に近づくことは到底できない。息が長い教育が欠かせない。大田市では小中学校での石見銀山学習がはじまって10年近くになるが、この学習はさらに進化と深化を重ね、50年後、100年後の地域の財産にしていく必要があると思われた。

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・氏名   中村唯史(なかむらただし)
・生年月日 1968年2月29日
・住所   島根県大田市
・職業   大田の自然史案内人

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