2016年2月のエントリー
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2016-02-14 18:15:22 | なっちゃんの日々是好日
路地にひっそり春のにおい
路地の行き止まりに、一軒の空き家があった。庭の穏やかな日だまりの中で、梅の老木が花をたたえていた。主(あるじ)のいない庭で、「春な忘れそ」と、においをおこす梅の花。静かな佇まいは、誰もが知る道真公の歌を彷彿させる。
すれ違うのがやっとの路地に、寺の白壁が沿う。島根県大田市湯泉津町の西念寺だ。寺は永禄4(1561)年、浄土宗信者の念仏道場として始まった。開山した念休上人は、毛利元就の信が篤く、たびたび戦場に伴ったという。
この路地は、世界遺産・石見銀山遺跡の銀山街道を構成する「湯泉津往環道」と称せられる。かつては、太鼓や三味線の音(ね)が響いたであろう温泉街と、銀の積み出しや物資の調達をする港を行き来するのに使われた。
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